うちにあるフィルムカメラは前回紹介した BIG MINI だけではありません。BIG MINI と同じような立ち位置のカメラとして、京セラのP-mini 3 というカメラがあります。ちょうど BIG MINI と同時期に持ち出して使ってみました。
京セラ P-mini3 というカメラ
この京セラP-mini3は、32mm F3.9 という BIG MINI よりほんの少し広角で暗い単焦点レンズを採用しており、使い勝手はほとんど BIG MINI と同じなのですが、知名度はずっと低いカメラです。そのせいか、中古を見かけることも少ないですし、BIG MINI のようにいい値段がついて売られていることもありません。私は確かジャンク品のカゴに入っていた100円のものを買ってきたような記憶があります。
京セラ P-mini3 が発売したのは1995年。前回紹介したBIG MINI が1989年ですから、若干見た目が近代化されているように見えます。もちろんこちらも平成のカメラですからオートフォーカス、オートローディング、露出もプログラムオートのみと、とにかく簡単に撮影できます。使い勝手はほとんど BIG MINI と変わりません。ただし、こちらは単3電池で動くのでわざわざCR123Aを用意しなくてもいいのが助かります。
しかし、この P-mini3 がいただけないのはゴロンとしたボディです。厚みがある割にさしたるグリップもないのでどう持っていいか迷います。また、32mmと微妙に広角レンズを搭載している上に電源を入れてもレンズがせり出してこないので、ボディのはじの方をつまむように持たないと指が写り込んでしまいます。
指の写り込みさえ気をつければスナップにはちょうどいいカメラです。とにかく使ってみましょう。
作例
BIG MINI と同時期に持ち出して使ってみました。フィルムは富士フイルムの業務用ISO100です。
ちょっと複雑な条件でもピントが合います。
光量が少なくてもけっこうシャープに写ります。
使ってみて
よく写ります。第一印象は BIG MINI に似たようなカメラに思えますが、単3電池で稼働すること、裏蓋のケーブルがフレキでないことなど、さすがに1995年発売だけあり、まだまだ使っていけそうです。
この手のコンパクトフィルムカメラを使って感じるのは、当然ですがデジタルとは全く別のカメラだということです。別というのは、フィルムを入れなければいけないとか、現像しないと出来がわらかないといったことではなく、デジタルとは違う道具としての使い道があるということです。つまり、まったく同じスペックを持ったデジタルカメラがあるとしても、私としては依然としてこの手のコンパクトフィルムカメラを使いたい場面はあり、そのために持っておきたいのがこうしたカメラなのです。