純粋撮影体験:Leica M typ240
Leica M typ240を買いました。
滑り込みですが、間違いなく今年もっとも買って良かったといえるカメラです。
体験を買う
今年は色々と環境が変わったり引っ越しがあったりで、思うように写真が撮れないこともありました。
そんな中でふたたびフィルムカメラで写真を撮るようになり、マニュアルフォーカス・マニュアル露出が当たり前のカメラを使う機会が増えました。
そうした体験を重ねていく中で、自分が撮りたい写真を撮るために必要な要素は実はすごく少ないということに気が付きました。
例えば瞳AF、超望遠レンズ、超広角ズーム。一通り使えるように機材を揃えたものの、そういった機材で撮った写真が何枚あったでしょうか?
構図を決め、絞りを決め、シャッタースピードを決める。これだけで撮りたい写真は撮れてしまうのでした。
じゃあそんなシンプルな撮影の体験ができるカメラとは...と考えて行き着いた先がライカでした。
マニュアルフォーカスのみ。Wi-Fiもなし。それにしては確かに高い買い物でしたが、このカメラでしかできない体験を買うという意味では仕方ない価格なのかもしれません。
作例
Leica M typ240がどんなカメラかということは、もう語る必要もないでしょう。だいぶ前に発売されたカメラですし、とにかく作例を見てもらうのが早いと思います。
印象的なのは、明らかにこれまで使ってきたカメラとは別物の絵が出てくるということです。センサーがヨーロッパ製だからなのか、見たことがないような味付けの写真が撮れます。
乗り換えにあたって用意したレンズは4本。ライカ製は1本もありませんが十分です。
以下の作例はすべてjpeg撮影で、Lightroomで水平出しとゴミ取りだけしてあります。フィルムモードはスムースです。
Voigtlander Nokton Classic 40mm F1.4 S.C.
Voigtlander Ultron 28mm F2
Minolta M-ROKKOR 90mm F4
Jupiter-8 50mm F2
使ってみて
レンズのせいなのか、センサーのせいなのか、 画像処理エンジンなのか...とにかくわかりませんが独特の写真が撮れます。こういう感覚になったのはGRを初めて使って以来かもしれません。
そういえばライカの「スムース」はGRの「ポジフィルム調」に似たような色の出方をしています。GRでもほとんどすべて「ポジフィルム調」で撮るくらい気に入っています。
色の出方や光の捉え方もそうですが、やはり最初に述べた通り徹底的にシンプルなプロセスで撮影に集中できる、他にない体験が得られるカメラだということが最も大きいのではないでしょうか。
撮りたい写真を撮るために必要なことに集中できるカメラです。買って良かった。
(お題「#買って良かった2020 」)
SOMEWHERE IN KYOTO
今から5年くらい前、京都に引っ越してすぐの頃はフィルムカメラで写真を撮るのにずいぶんはまっていました。
なんとなく当時の写真を見直していると、今よりも力が入っていない、素朴な良さがある写真(未熟ともいう)が多く、未公開のままにしておくのももったいないのでまとめて公開してみることにしました。
どんなカメラとフィルムで撮ったのか、どこで撮ったのか記憶はもはや曖昧です。5年前の自分が何を考えて写真を撮っていたのかもわかりません。でも京都で撮ったことだけは確かです。SOMEWHERE IN KYOTOと題したシリーズということでまとめてしまいましょう。今回はその一回目です。
強風の日、浅草
今住んでいるところは住宅街で、大きなカメラを持ち歩くのは気が引けます。 幸い、電車で30分くらいあれば都内に出られるので浅草まで行ってみることにしました。
押上で降りて浅草まで歩きます。 ソラマチは無機質なコンクリートの壁を緑化していてシンガポールの都市部のよう。
なんとなく歩いていたら雷門のあたりまで来ました。雷門は撮りません。 思ったよりも観光客の姿はありましたが、それでも人力車夫たちは暇そうにしていました。
浅草寺の裏に回ると浅草神社があります。 なにかのイベントのようで浅草寺よりもずっと賑わっていました。
花やしきも暇そう。
かっぱ橋のほうまで歩いてみました。
わずかに梅雨っぽさが残っていました。
都市部で写真を撮ってみると縦構図が増えるがします。 路地の詰まった感じを圧縮して写したくなるせいでしょうか。